Victor Zero5fineの修理 ジャンク入手のスピーカ・エッジの張り替え修理。 |
スピーカがどうにも欲しくて、エコタウン開店日に友人に行ってもらったところ、これが\4000とのことだったので買ってきてもらったものです。
オーディオ懐古録を見る限り、数字の上ではかなり優秀で、一度リボンツィータの音を聞いてみたいと思っていましたので。
1979年以降の製品で、私より年上なんです(笑)。確かこのころは598戦争(でしたっけ?)で、各社から1本6万円台のスピーカが数多く発売されたそうです。よって結構気合い入った作りになっています。
アッテネーターにかなりのガリがありました。
エッジ除去
さてこのスピーカですが、ウーファーのエッジがご覧の通り朽ち果てております。 発砲ウレタンのエッジは、日本のような高温多湿の環境では10年もすれば、このようにボロボロになってしまうようです。 今回はエッジ張り替えで有名なセーム皮を使った方法を採ります。 |
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まずボロボロのエッジを全て取り除くために、ウーファーのゴム枠を外します。マイナストライバーを突っ込んで少し力を入れて剥がしていきます。ある程度剥がれたら、あとは手で取れます。 |
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ボロエッジの除去にはラッカーシンナーを使うと良いそうなのですが、手元にないためにアルコール(焼酎)を使いました(爆 焼酎をエッジに染みこませて、あとはティッシュで擦っていけば簡単にとれました。 |
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除去後。 更にコーンの裏側に付いているエッジ端も同様にして取り除きます。その際、なるべくコーンが動かないように、皿などで固定してから行った方がよいです。 私の場合それを忘れてゴシゴシやってしまいましたが、これだとスピーカの構造によってはボイスコイルがヨーク(外枠)に接触してしまい、それによりボイスコイルが痛んでしまいます。そして最悪の場合短絡状態になったり、逆にコイルが切れてしまいます。 |
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セーム皮切断
さていよいよセーム皮の出番です。 今回はカー用品店(オートバックス)で購入した「Delapica 上手拭きL12」を使いました。これは洗車用本革セームで、組成は羊革となっています。厚さはちょうど1mm程です。 サイズは390*450mm。\1000ちょっとだと思いました。 ちなみに、エッジ部分を切り取り残ったセーム皮も、ビデオヘッドのクリーニング等に使うには最適ですので残しておきます。 |
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型紙を使って切り取ります。これが一番手っ取り早いと思います。セーム革は伸縮性がありますので、枠取りの際には革をピンと張って(できればアイロンがけしたほうが良いそうです)、張りに群がないようにしてから行った方がよいです。でないと切り取ってから「アレ?同じ寸法で切り取ったはずなのに幅が違うぞ」なんてことになります。 今回は1/2カットでエッジを作りました。1/4カットだとfoに影響がでそうなので。できれば丸ごと1周切り抜きたいのですが、それやるとあと1枚セーム革が必要になるので(^^; 接合部分の幅も考慮して切り抜きます。 |
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切り取ったら接合部分を貼り付けます。今回は手元にあった木工用ボンドを使いました。強度は結構あると思います。 ところで、「セーム革は伸縮性がある」と言われていますが、私は当初ゴムのように伸び縮みするのかと想像していたら、違うのですね。確かに普通の布と比べれば伸縮性があるのですが。 |
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乾いたら、接合部分(継ぎ目)を手で解して柔らかくしました。100回ぐらいクニョクニョさせれば柔らかくなって、foの上昇を抑えられると思います。 | ![]() |
張り付け
まず、スピーカの外枠にボンドを塗り、そこに切り取ったエッジを乗せて接着させます。 シワが出来ていないか確認します。セーム皮は伸縮性があるので、シワが出来ても他の部分を縮めたり(切らないで)すればとれます。ただ極端な場合は切断しなければ成りませんが。 この状態で乾燥するまで待ちます。 |
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次に、コーン裏側の元々エッジが接合していた部分にボンドを塗ります。 | ![]() |
マイナスドライバーなどを使ってエッジをコーン裏側に潜らせます。 | ![]() |
それが完了したら、マイナスドライバーと指を使って張りつけて行きます。完全に密着するように指である程度強く押します。 | ![]() |
出来上がったらコーンを押してみて、ボイスコイルがセンターポールやヨークに接触していないかを確認します。もしするようならエッジの位置を調整します。 丁寧にやれば接触することは無いと思います。 |
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その後、大入力対応補強のためにエッジとコーンの間にボンドを薄く塗っておきます。 | ![]() |