パワーアンプ考察


スピーカボックス下部には電源およびパワーアンプが入っています。
トランスはRコアを使い、音響用コンデンサも使われています。ちょっと興味があるので見てみることにしました。



アンプ・フィルタ部

Rコアトランスは北村機電のカスタム品。なかなかの大きさです。
それにしても、ミニコンポにRコアトランスとは・・・贅沢です。
パワーアンプの平滑にはnichiconのGreatSupply 50WV6800uFが使われます。
電解コンデンサは、このほかLPF/HPFの電源バイパスにMUSE2個、あとは日ケミのAVFです。
電力増幅は三洋のSTK401-100B。
データシートによると、
2ch-Power Amp
Power Output:65W+65W(typ) (THD=0.4%,RL=6Ω,Vcc=±35V,f=20 to 20kHz)
Frequency Response:20 to 50kHz(typ) (Po=1.0W,Vcc=±35V)
Po=100W+100W(THD=10%) (Vcc=±35V)

とのこと。特に周波数特性については、1W出力時は50kHzまで確保されており、まさにうってつけといった感じです。
カタログでは70W+70W(EIAJ)となっていましたが、確かに電源の容量から考えればその辺でしょう。
これはツィータを駆動するための、高圧重畳回路。電源はRコアトランスから与えられており、推測ですが、それを右のトランスでさらに昇圧して、ダイオードとコンデンサによる多段倍電圧整流で高圧DCを生成すると同時に、左のトランスでは音声信号に高圧DCを重畳させているのかもしれません。
リーク防止のため、この回路は絶縁材でモールドされています。
回路をさらに詳しく見るために、ケースから分離しました。
これは日電のuPC1237HA。
ここでは音声ミュート(遅延リレー駆動)、スピーカの保護(電圧監視、DCオフセット)などを行っている模様。
NJM5532DDでは、片側をMFBとして、もう1方を入力音声アンプとして使っています。
TL07CPは、ウーファ/ツィータのLPF/HPFとして使っています。クロスオーバーは3kHzぐらい?
特殊な部品が使われていないため、回路図を起こしてみました。
入力アンプが凝ってますねぇ。
写真では非常に分かりにくいと思いますが、まずこれで不思議に思ったのは、パワーアンプ部(STK401-100B)の帰還です。ウーファ出力はツィータアンプへ、ツィータ出力はウーファアンプへ帰還しています。
さらに不思議なのが、MFB回路です。回路図左下のコイルがMFBセンサですが、この一方がLPF出力と共に5532DDの反転入力に入っています。もう一方と非反転入力はGNDに落ちてます。
はて?私はてっきりウーファアンプの帰還回路部分に入っているのだと思ってましたが・・・
しかし、はたしてこれは帰還といえるの??

まだまだ勉強不足ですね(^^;
それはさておき、ツィータの出力が思ったほど無いため、おなじみのツィータアンプに入るR141の6.8kΩに抵抗を並列に接続して、利得を上げます。
いろんな値で試しましたが、私の場合は10kΩ+2.2kΩを接続したところ、バランスがとれました。
以前はここに2.2kΩを接続していましたが、ツィータの清掃により、その状態だと高音が出すぎです。


ウーファ拝見

ダブルマグネットで防磁設計です。エッジはラバーでダンパーも柔らかいためストロークはあります。
ダイアフラムはプラスチック?
製造は平成6年2月18日でしょうか。
箱内部。まあこんなもんでしょう。
ダブルバスレフポートは低音効き過ぎです。



戻る