日本ケミコン製電解コンデンサの生産国判別法?

私なりに考えた説です



やっぱりコンデンサといえば日本ケミコンですよねー。
最近ではマザーボードやATX電源などのPC関連パーツにも、日本ケミコン製のコンデンサが用いられている製品がありますよね。
でも、PCパーツのほとんどは海外で生産されていますよね。
果たして日本で作ったコンデンサを現地に持っていって取り付けているのだろうか?
それとも現地周辺で生産したのを取り付けているのかな?
なんてふと思って、もしコンデンサ本体のどこかに違いがあれば、日本製と海外製の区別がつくのではないかと思って調べてみました。



***以下については、随時更新していきます***



写真1
まず上の写真を見てください。
左は秋月で買った日本ケミコンのKMG。右は中国産DELTA電源に入っていた日本ケミコンのLXJです。
まずこの状態から両者を比べて分かること。
1:本体の色が違う。(注:ご覧の環境が液晶ディスプレイの場合、この差がわからない場合があります)
2:白プリントがLXJは粒子が粗い。
3:KMGとLXJのフォントが違う。
ここで、「そんなの個体差に決まっているだろ」と突っ込まれそうですが、実は違うんですよ。
日本製と思われるのは、どれも本体色がチョコレート色に近いもので、性能付けのフォントもワードで言う「HGゴシックE」に近い。文字間が空いている。
それに対して、海外製と思われる物は本体色が小豆色に近く、フォントもワードで言う「HG丸ゴシックM-PRO」に近い。文字間が詰まっている。


写真2
裏側の写真です。
黄色印の数字(括弧の中の数字)が、日本製と思われるものは、手元にあるのを全て調べてみましたが”2”か”3”でした。
その後、秋葉原の色々なパーツ店を見て回りましたが、日本製と思われる外観をしている日ケミ電解は、皆”2”もしくは”3”でした。
それに対し、写真左のように海外産と思われる物は数値が異なっています。確認しているのは他に”1”があります。

03/10/27更新:
秋葉のPCパーツ店で、日ケミを搭載した各社のマザーボードを1枚1枚舐めるように、計20枚程度見てきました(笑)。

@そこで分かったこと。
1:KZE、KZG、TMZの3種類をを確認した。
2:全体の8割程度は、括弧内の数字が”7”であった。
3:残り2割程度は、なんと”2”と”3”であった。
4:大抵の物は、写真1と同様の方法。つまり性能分けのフォントで識別できた。

A解説
1について
現在、この3種類について詳細が分かるのはKZEだけ。
しかしKZGはPCマザーボード用の高周波平滑用低インピーダンス品で、それが使われているマザーボードをみると、出力側(CPU側)に使われていることから、インピーダンスはKZEより低いと思われる。
TMZについては詳細不明。本体は黒でプリントが金色。PCIまわりに使われているため、インピーダンスはそれほど低く無いことが考えられる。予想だが、日本での設計ではなさそう。

約20枚のマザーを確認したなかで、それぞれの割合は以下の通りである。
KZE:17枚
KZG:7枚
TMZ:6枚


2について
括弧内の数字が7であるものは、性能分けのフォントが全てHG丸ゴシックM-PROに近く、日本製と思われる2と3の数字の物と比べると、文字が丸く字間が狭い。
また、静電容量・耐電圧を示す数字も、若干丸い。
白プリントの粒子については、確かに荒いものもあった。しかし、中にはそうでないものもあった。


3について
予想ではほぼ10割が、数字が2と3以外だと思っていたが、実際にはそうではなかった。
数字が2と3の物は、内訳ではKZEで多く見かけ、KZGでは2例、TMZに関しては見られなかった。
日本製と思われる2と3の物だが、確かにフォントはHGゴシックEに非常に近く、字間は広い。白プリントの粒子は皆無であり、静電容量・耐電圧を示す数字も写真1の左側の、日本製と思われるものに近いもので、数字が7の物と比べると縦に長い。


4について
今回、私なりの生産国判別法に基づき、はじめにコンデンサ本体にプリントしてある性能分けのフォントを見て、まずそれから国産・海外産を推定することにした。
そして、後ろの括弧内の数字を見て、それが予想とあっているか(これはあくまで自説の中での話であり、証明されている訳ではない)を確認した。
しかし、フォントから推測した数字と、実際の数字とで異なっていたことが2回ほどあった。これは2回とも日本製と思われる3の数字の場合で、予想では7であるはずが結果として3であった。
つまり、3のフォントではHG丸ゴシックM-PROに近いフォントが存在している可能性もある。ちなみに、それは全てKZEであり同じマザー上に載っているKZEは全てそのフォントであった。
03/11/29更新:

KZEについて、数字が2と7との比較写真を載せておきます。

こちらが日本製と思われる、括弧内の数字が2であるもの。
ご覧のようなフォントでございます。
こちらが海外製と思われる数字が7であるもの。(写真に数字は写ってません)
比較してみてどうです? フォントが違うでしょう。あと、容量表記の数字も若干丸いです。