Panasonic NV-BS50Sの修理



※画像を多用していますので、表示に時間がかかると思いますがご了承ください


BS内蔵のS-VHSデッキが必要になったので、以前から気になっていたNV-BS50Sを入手してみました。どんなことが気になったかというと、定価が\200.000だということ。系統としてはNV-BX25に近いのですが、ここまで定価がよろしければ、さぞかし性能が良いのだろうとおもいました。
用途はBS放送で3倍録画を約半年にわたって行うつもりなので、とにかく3倍が綺麗に録れる機種が欲しいのです。しかも、この文句が物欲をそそります・・・

SVHSマークの下に「Digital Process」って文字が見えますよね。如何にも綺麗に映るような処理を施している感じです。この機種はアモルファス・プロヘッドの10ヘッド構成です。
今回は某オークションにてノークレームジャンクの\2500で入手しました。

※誤解をされている方がいるようなので、ここで確認しておきますが、私がオークションで落札する場合は必ず親のアカウントで、親の了解を得て行っています。




Digital Process

届いたBS50Sのトップカバーにこんなシールが貼ってありました。これが「Digital Process」の仕組みみたいですね。どのブロックにもDIGITALって文字(もしくはそれに関連する文字)があって良さげです。


内部を診る

症状は、
再生すると縞々のノイズが出、全体的にもノイズっぽい映像になることと、再生を行う際に2,3度カチンカチンと音がするということ(ギアがなかなか固定されない?)。テープを挿入し、いきなり巻き戻しをしようとするとローディングアームが行ったり来たりして言うこと聞かない。一度再生を行うと正常に巻き戻しできる。
といういものでした。
まずノイズといったら疑うのはヘッドですが、クリーニングしても変化がなかったので、次に怪しい電源をみてみました。割と大きなコンデンサは全然噴いていませんでしたが、6.3V100u程度のコンデンサは噴いていました。
つぎにデジタル映像処理基板を診ていきます。基板上には両面実装コンデンサがふんだんに使われており、ほとんどが噴いていました。幸いにも溶液でパターンが腐食しているところはありませんでした。
31個全て交換しました。ほとんどがバイパスコンデンサみたいです。
黄色いコンデンサが目立ちますが、これは\100のジャンク袋に入っていた16V22μFです。だいぶ古いと思いますが、未使用品ですし、メーカーがニチコンなので大丈夫かと・・・

基板上にはディレイラインがどこにも見あたらなかったので、Y/C分離も全部このLSIでやっているんですね(上のシールにもそう書いてあったし)。その証拠に、トラッキングの調整時などに画面が乱れると、デジタル特有のノイズ(サラサラしたノイズじゃなく、ビヨーンと引き延ばされたような)が現れます。


映像の不都合はこれで解消されました。
音声部には一応音響用のコンデンサが使われています。でもやっぱり気合いが抜けてしまってますね。FS900みたいにセラフィンとか使ってくれると涙ものですが(笑)



メカを診る

メカの裏側をみてみると、SSブレーキアームが付いていませんでした。ということは この機体は一度誰かが修理を試みたのか? でもなぜこんな部品を?

メカの異常は、はじめはギアの位相かと思いましたが、どこもずれていませんでした。
そこで動作をみてみると、再生のときに中央のギアの下にあるギア(モード切り替えギア?本当の名前知りませんです)が、普通ならカチンと1回で固定されすはずなのに、2,3度空振りしてます。

そこで、このギアを取り外して、以前部品取りに貰ったFS800の同じやつと比較してみましたが、どこにも異常がありません。 一応、FS800のに交換してみました。


が!
今度は巻き戻しはおろか、再生すらできなくなってしまいました。
テープを入れてローディングするところまではいいのですが、いざ再生を行おうとするとテープ送り出し側だけ動作して、巻き取り側が動作しません。そのためテープがピンチローラー付近に溜まってしまいます。
それを感知してテープが逆回転し、約3秒後に電源が落ちます。次に電源を入れるときも同じです。


これにはまる1日悩まされました。メカを完全に分離して第二のモードスイッチを疑いましたが、異常なし。
最終的にモード切り替えのために動作する電磁石からの動作を伝えるプラスチックのかみ合わせが合っていなく、電磁石の動作が伝わらなかったために、こんな症状になったみたいです。
メカを完全に分離するためには全ての基板を外さないといけないのですが、何度かやっているうちに、FL管の基板と映像2入力の基板を結ぶ16ピンコネクタの線が3本折れてしまいました。よーく見ると他にも取れかかっているので、思い切ってコネクタごと取り払ってビニール線で結線しました。

メカの動作は修理前と変わりませんでした。でも、もういいです(諦)。


一応直った(ことにする)



ときどきテープが絡んだり、トラッキングが調整しきれなくてブルーバックのままのテープもありますが、この件の修理でかなり疲れたんで直ったことにします。
標準状態だとSVHSとBSの表示が橙色で、全然高級感が無い(?)ので、LEDを交換してみました。
BSアンテナ出力があるのがいいです。BS900にはこれがないので・・・・


とりあえず使えるようになった


ひとまず使えるようになったので、録画・再生してみましたが、正直あまり綺麗じゃないです(録画も再生も)。
19ミクロンヘッド搭載なので、3倍も綺麗に映るんだろうなー と期待していたのですが、全然だめです。
BS900の方がよっぽど綺麗です(FS900はもっと綺麗)。Digital ProcessよりもAnalog Processの方が画質良かったりして(笑)
しかも、標準での録画は問題ないのですが、3倍で録画したテープはBS900では正常に出るのにSV1だとトラッキングが合わなくて、しかも反転ノイズがでます。テンションレギュレーターを調整しても駄目でした。

いろいろと問題がありますが、それらに関しては追々解決していきたいと思います。
あと、BS録画には安心して使えそうにないのでBS900かSV1を使おうと思います(でも、BS900も調子悪いので困りもの)。


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