ATX電源の修理
EPA-330の修理

JUNKで入手したETASIS製330W ATX電源の修理です。



※画像を多用していますので、表示に時間がかかると思いますがご了承ください


じゃんぱらの入り口にあるジャンク品が入ったコンテナのなかに、エアキャップに包まれたATX電源を見つけました。エアキャップ越しに電源の表記を見ると、330Wって書いてある!! \191なので、もし直らなかったとしても、部品取り程度にはなりそうなんで購入。


内部を診る




こんな紙が貼ってありました。
で、自爆覚悟でFMV改マシンに繋いでみたところ、確かに「?」でした。電源ボタンを押さなくても勝手に電源が入り、HDDアクセスランプだけ点灯。HDDやCDDは動作せず。

そこで、各電圧を測定したところ、5Vスタンバイがゼロ。他は正常値でした。
フタを開けようとしたところ、保護シールが・・・

分解したな?こりゃ
なんか、いゃ〜な感じを抱きつつ中身を見ました。
ほとんど埃が付いていなかったので、それほど長く使われていなかったのでしょう。

赤丸で囲ったことは1次側の平滑コンデンサですが、2つとも一度外された形跡がありました(固定用接着剤を剥がした跡がある)。修理しようとした人は、このコンデンサが噴いたとでも思ったのか?(Rubyconだから無理もないか・・・)
基板の裏側を見ても、その跡はありました。1次側のパターンを追ってますね。
3.3v、5V、GNDそれぞれ数本の線を切って、ビニールテープでまとめてあります。
調べたことろ、「Auxiliary Power Connector」という「補助電源コネクタ」なんだそうです。それが邪魔だったんで切り落としたのでしょう。



故障箇所

ここが5Vスタンバイをつくる回路です。
その回路を取り出してみました。この基板も一度取り外されたようです。ホットボンドがとれてます。

部品をよ〜く観察すると、トランジスタ(2SA1015)が足下から飛んでました。
テスタで調べたところ、他にもFET(2SK1095)、トランジスタ(2SC945)が内部でショートしてました。
さらに、1.3Ωと150Ωの抵抗も、120kΩ近い値でした。


しかし・・・

部品を調達してきて、組み直したのですが、やっぱり出力されません。ギュィィ〜〜という発振音だけ聞こえます。
 こりゃもしかして・・・
トランスを調べてみました。色別で巻いているコイルを分けています。どちらも1次側です。
赤の部分は問題ありませんでしたが、黄色の部分で、右と真ん中は正常でしたが、真ん中と左で∞でした(ちなみに真ん中は回路では使われないのでリード線はありません)。つまり内部で断線してます。 あちゃ〜

代用



5Vスタンバイが供給できないなら、そとから供給すればいいんじゃん!?
ってことで、外部からスタンバイ用電源を供給してみました。このATX電源の5Vスタンバイは、SWトランスからダイオードとコンデンサで平滑され、7805の定電圧ICを通って出力されるため、正確な5Vでなく、3V程度高い電圧を用意したほうが良さそうです(7805の前後で電圧管理しているようなので、7805は通さなくてはいけない)。

試したところ、これで正常に動作するようになったので、スタンバイ電源を内部に取り付けることにします。

秋月電子の\850のスイッチングACアダプタのガワを外して取り付けました。ちょうどピッタリです。
ちなみにこのアダプタ。無負荷時で1.7W程度消費します(AC100V)。


付加機能

最近の電源はサービスコンセントが無いのが非常に不便なので、その機能を付け加えることにします。秋月電子のSSRキットを使用。この位置に取り付けました。ケース自体が放熱器の役割をするので便利。
100V出力はこんな感じにしました。





修理完了

とりあえず問題なく動作するようになりました。修理費は秋月ACアダプタの\850ってのが響いて、高めになってしまいました。ちと残念。

ちょっとばかし紹介を。。。
5Vと3.3Vだけで220W確保しているなんて、イヤすごいっす
採用されてる電解コンデンサは、1次側はアノRubycon。2次側は日本ケミコンでした。
FMVに入れました。驚いたことに、HDDの回転音が以前より若干静かになりました!

排気ファンの音が五月蠅かったので、抵抗を突っ込んで回転数落としました。元から風量があったので、回転数落としても以前の電源と同等程度です。

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