ヘッドホンアンプ製作


ヘッドホンの音をより良くする回路です。



電波新聞社の「図解エレクトロニクス工作」を見ていたら、気になる回路があったので作ってみました。片chたった1石でできるトランジスタを使ったアンプなのですが、パワートランジスタを使用することで低音も期待できそう・・・・

★ちなみに、この製作をしている時にオペアンプ(NJM4558)を使ったヘッドホンアンプを思いついて試作してみましたが、今回製作するトランジスタアンプの方が低域が出ており、音がよいです。


STEP1

まず部品を集める訳ですが、回路が非常に簡単なので特殊な部品は必要ありません(音質を追求するなら別)。この回路で一番肝心なパワートランジスタを探たところ、手元に3種類ありました。後で解説します。
もちろん、新品で買う場合にはできるだけ電流が流せるものを選んだほうがいいです。後に説明しますが、このトランジスタ一個で音質はエラく違います(2SC1815等の省電力トランジスタでも機能しますが、低音は出ませんよ)。また、使用する電解コンデンサも音響用を使うと音が良くなります。特に入力と出力コンデンサには交かがあります。


STEP2

これが回路です。エミッタ・フォロアの電流増幅回路です。トランジスタのところは型番を記しませんでした。各自で入手できるものを使ってください。回路はステレオですので、回路図の回路をもう一つ作ります。
音声入力段にある150Ω抵抗を10kΩ程度の可変抵抗にすると音量可変が可能です。この場合、感度が非常に良いのでライン入力の場合、直接スピーカーをドライブできるくらいに増幅できます。
私は470uの電解が無かったので100uにしましたが、音質的にもこれでまったく問題ありませんでした。

ちなみに、消費電流はステレオ回路で100mA程度(3V時)だと思います。電圧はこれ以上、上げても消費電流が増えるだけで音質向上の期待はできません。


STEP3



トランジスタについて

このアンプ回路は、使用するによって音色が変化します。


手元にあったのがこれら3種類のトランジスタです。
左から @:新電元2SD1022 A:NEC2SD1309 B:松下2SD2242
それぞれ視聴してみましたが、その音の違いに驚きました。

下の表は各トランジスタの評価です。
低域 中域 高域 コメント
@ 低域が非常に力強い。ベースやドラムの音が響くが、中域が弱いためボーカルが引っ込んでしまう。
A 低域から高域まで、よくつながっている。どの帯域もクセの無い聞きやすい音で、長時間聞いても飽きない。
B 中域〜高域がすばらしい。ボーカルが浮き出て聞こえ、高域も出ているためステレオ感もバッチリで、まるでその場にいるような臨場感がある。しかし、低音が弱い。


トランジスタには2SD1309を使いました。
51Ωが無かったので、27Ωを2つ直列に接続し、54Ωとしました。回路が簡単だけに、非常に小さくまとまりました。

裏側




このアンプを使うことで、ヘッドホンがよみがえりますよ。
今まで聞こえなかった楽器がハッキリと分かるようになり、それぞれの定位もしっかりします。
簡単な回路なので、ぜひお試しあれ・・・・

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